188 :おさかなくわえた名無しさん:2012/07/06(金) 22:28:28.09 ID:Pb5yFcVP
508 名前:774RR[sage] 投稿日:2012/07/05(木) 21:49:42.65 ID:6eAj26SS [1/4]
今日、二輪免許に合格しました。教習所に通うようになってからバイク板を覗くようになり、受かった暁にはどこかに書きたいと思ってたので、良ければ数レス使わせて下さい。
泣けると言うより、僕が泣いてしまった話ですが。
小中高と典型的ないじめられっ子で過ごしてきて、高2の後半から登校拒否の引き籠りになりました。
それでも月数回の保健室登校や別室で試験を受けたりして、何とか高校卒業までは漕ぎ着けました。
卒業するので やっとだったので、当然ながら受験も就職も何も対策しておらず、またそのやる気も一向に湧かず、卒業してからは ずっと部屋に引きこもってました。
両親に心配と負担をかけている事は分かってるつもりでした、
しかし今まで家の外で まともな扱いを受けた事のない身としては、これから先、もっと厳しくなる環境で自分なんかがやっていける訳がない、
いじめを受ける何らかの要素をきっと自分は持っている、でもそれが何か分からない、どうすればいいかわからない、
でも このままではどうしようもない、どうしようどうしようと毎日絶望と苦悩で一杯でした。
そんな引き籠りが1年ほど続き、僕の中で何かが吹っ切れました。
もう死のうと。
自室にあった現金をかき集め、両親に何も言わず気付かれない様に、深夜に家を出ました。
ずっと歩いて歩いて、踏切で始発が動いている事に気付いて、近くの駅から電車に乗りました。
出来るだけ遠くを目指している内に、ある場所を思い出して、そこを目的地にしました。
何度か乗り換えて終点に着いた頃には、もう夕方に差し掛かってました。
駅から暫く歩き、とある岬に着きました。
観光地としても自殺の名所としても割と有名で、眼下を見下ろすと、成程これは助かるまいと冷静に納得してました。
もう少し奥が良かろうか、と思って進もうとすると、いきなり声をかけられました。
『やあ、兄さん、地元の人かい?』
振り返ると、おじさんと言うには微妙に若いおじさんがいました。
「はあ、一応県内ですが…」
『へ〜、どの辺から来たの?』
「あ、○○市の方です…」
『ふ〜ん、ごめん、俺九州の人間だからどの辺か分かんないや』
「…」
189 :おさかなくわえた名無しさん:2012/07/06(金) 22:29:31.29 ID:Pb5yFcVP
509 名前:774RR[sage] 投稿日:2012/07/05(木) 21:51:03.21 ID:6eAj26SS [2/4]
聞いといてなんだそれは、と思いつつ、余り関わり合うと色々と面倒になりそうなので、それじゃ、と無視して進もうとすると、
『兄さん、生きるのは辛いかい?』
びっくりして振り返ると、
『ま、そんなカッコで一人虚ろな顔でウロウロしてるから、カマかけてみたんだが…』
むしろ その予感が当たった事に驚いた風な表情でした。
この時は春先とは言え まだそこそこ寒く、GパンにTシャツの上に1枚羽織ってるだけの、部屋からそのまま出てきた様な格好でした。
まぁそのまま出てきたんですけど。
『取り敢えず、寒いだろ。コーヒーでも飲もうや』
そう言うとこちらの返事も待たずに歩き出してしまいました。
こちらとしては付いていく義理はなかったんですが、『どうした、コーヒー位おごっちゃるけん』と言われ、人と話して緊張の糸が切れたのか、それまで何とも感じてなかったのに急に寒くなってきて、それでどういう訳かいまだに分からないけど、何故かおじさんの後に従いました。
駐車場の自販機でホットコーヒーを礼を言って受け取り、一口呷りました。じんわりと暖かかった。
『…まー、これでも色々あってね、俺もそこそこ惨めな人生歩んでるんだろうとは思うよ』
『正直、今の兄さんを止める資格はないだろうね、俺も人生に見切りをつけた時は確かにあったし』
『ここまで来たんだ、生半可な覚悟じゃないだろう。兄さんがどうしてもと言うなら、俺は力づくで止めたりはしない』
『知らぬ顔して、そのままアレで走り去るよ』
顎でしゃくった先には、真赤なバイクが止まっていた。
僕は何となしに「バイク…」と呟いていました。
『そう、バイク。あれは良いぞ。生きるにも死ぬにも持ってこいだ』
「はぁ…」
『そういや、兄さんどうやって来たの?」
「歩きで」
『どこから?』
「駅から」
『何で?』
「それは…」
とこんな感じで、誘導尋問の様に段々と古い話までほじくり返されて、いじめられて引き籠って進退窮まったどうしようもないクズという所まで話してしまいました。
190 :おさかなくわえた名無しさん:2012/07/06(金) 22:31:20.45 ID:Pb5yFcVP
510 名淡前:換774R偶R[sage] 投注稿理日乙:2012/07/05(木儒) 21:52:16.68 ID:6eAj26SS [3/4]
「…人から受勅け入れて輝もら薬え友な墳い可、そん遂な蛮僕良がこれかキらどうして街生き学てい7けるの促か勉」
『ふ諭〜陥ん疾。 兄寿さ麗んさ藻、バ難イク仁乗れ賄ば隷?』
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191 :おさかなくわえた名無しさん:2012/07/06(金) 22:32:10.03 ID:Pb5yFcVP
駅まで戻ると、幸い、まだ数本は電車が残っていました。ついて来てくれたおじさんに、お礼と質問をしました。
「他人なんかクソ喰らえなのに、どうして僕に声をかけたんですか?」
おじさんはニヤッと笑って、
『だって、兄さんはバイクに乗るんだろう?だったら、仲間だからな』
『バイクに乗ってる時は、限りなく一人だ。でも、バイクに乗ってるヤツは一人じゃない。だから、俺も一人じゃない』
「みんな仲間なんですか?」
『そこまでハッキリしたものでもないし、皆が皆、そうでもないけどね』
「バイク乗ってる人は、みんなおじさんみたいな感じなんですか?」
『さ〜、どうだろうね…。それは、これから兄さんが自分で知って、感じていく事だ』
『約束だ。免許を取って、バイクに乗れ。そしたらいつかどこかできっとまた会えるから。バイクで動くには、日本は狭すぎる。こんだけ狭ければ、きっとどこかの道でまた会えるから』
192 :おさかなくわえた名無しさん:2012/07/06(金) 22:33:14.98 ID:Pb5yFcVP
511 名前:774RR[sage] 投稿日:2012/07/05(木) 21:54:25.65 ID:6eAj26SS [4/4]
電車の到着を知らせるベルが鳴り、僕は電車に駆け込みました。
おじさんはピースで見送ってくれました。
初めてもらったピースサインでした。
電車が走り出して間もなく、いつの間にかおじさんが並走してました。
おじさんは いつまでも僕に向かって親指を立て続け、僕はおじさんが見えなくなるまで、ずっと窓に額をおしつけていました。
主要駅まで戻って、家に電話したら、すごく心配したと、迎えにいくから待ってろと言われました。
家に着いて、両親にこれまでの事を謝り、バイクに乗りたいと伝えました。
二人とも びっくりしてましたが、お前がやりたい事を、満足いくまでやりなさいと言ってくれました。
教習所に通い出して、外に出る様になって、「このまま どうにかなりそうかも」と思える様になりました。
学校では あんなに辛かった周囲の視線が、そんなに感じなくなりました。言う程、人は僕を見ていないんだなって。
今は、取り敢えず大学に行ってみようと、1年遅れで勉強してます。
書きやすいよう、読みやすいように補足入れたりしてますが、概ねこんな流れでした。
自分の外に出したことで、少しすっきりしたような感じがします。
まだ肝心のバイクを買ってないのですが、取り敢えずその資格を満たしたと言う事で、これで僕もおじさんの仲間入り出来たのかなと思ってます。
おじさんはこうも言ってました。『風を切って、風になって、初めて見えてくるものもある』と。
早く相棒を見つけて、僕もおじさんや皆さんと同じものを見たいと思っています。
結構使ってしまいました。長々とすいません。
193 :輝おさ醸かなくわえ舗た名夜無しさ暑ん:噴2012/07/06(金) 23:52:40.99 ID:rpzaf+gz
>>188
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