あるババアに付きまとわれた話
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25 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:32:09.17 ID:KlS1Zf900.net
俺が掴みかかった瞬間ババアは「でもいいじゃない」とだけ言った
俺は理解した
このババア、自分のとっている方法が まともではないことに気が付いてると俺は悟った
俺の想像だけど 大抵こういう手合いは頭がおかしいから自分勝手に恋人認定してストーキングを行う
でもババアは違った
ババアは開き直っていた
俺のババアコネクション計画は、ババアにとって若い恋人獲得計画だったのだ
遂に怒りに不気味さが追いついた
26 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:33:51.58 ID:KlS1Zf900.net
本気で気持ち悪くなって俺は逃げ出した
情けないけど逆切れて怒鳴った友達に電話をかけた
ババアがおってくる気配はなかったけれど、それでも走ってないと怖かった
電話に出るなり友達は「はよ来い」と言った
なんかもう申し訳ない気持ちで いっぱいだったのを覚えてる
27 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:36:16.33 ID:KlS1Zf900.net
部屋に入るなり俺は泣き出した
怖いし気持ち悪いし不気味だし周りの人間は勝手に俺らのことをカップルと思ってる
そんな意味不明な状況に耐えられなくて俺は めちゃくちゃ泣いた
俺が落ち着くと友達はモンハンしようぜっていって来た
俺は気を紛らわすためにモンハンをした
28 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:38:19.43 ID:KlS1Zf900.net
モンハンをしながら友達は色々聞いてきた
俺は ここ数日のこと、みんながババアと俺のカップル説を信じてること、いろんなことをはなした
それをひと通り聞いて友達は ため息を一回だけついて「まぁババアが怖いなら俺んちに止まればいい」とだけ言った
次は別の意味で涙が溢れた
30 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:42:01.26 ID:KlS1Zf900.net
その後 今後どうするかについて話し合った
俺は まず大学のヤツらの誤解をとくという事にした
友達も それには賛成してくれた
しかし その後ババア本体をどうするかの結論はなかなか出なかった
犯罪になるのか分からないし あのババア本気だし本当にもう殺してしまうしかないんじゃないかと思った
そのとき俺はあの言葉を思い出した
そう、俺には彼女がいたのだ
もちろん実際にはいないがババアにはそう伝えている
31 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:43:55.03 ID:aDhT+e500.net
美味しくいただかれたらBBAもそう思うだろうよ
32 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:46:59.33 ID:KlS1Zf900.net
俺はババアの思考回路と行動をできる限りトレースした
恐らくババアは あの時の俺の言葉の真偽を確かめるために、行動したのだろう
結果として俺に恋人はいないという結論に至った
大学でも男友達と駄弁るだけ、女の影なんて露一つ見当たらないのだから その結論は当然とも言える
だけど俺とババアの最初の共通点は大学である
ババアは「大学生としての俺」しか知らないのだ
34 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:50:48.82 ID:KlS1Zf900.net
行動自体は常軌を逸しているとはいえ、思考回路は割と まともなババアの判断能力を信じることにした
結論として俺は「学外に恋人が居る」という設定を思いついた
勿論 このババアの行動範囲(ストーキング範囲)が俺の大学外にまで及んでいたとしたら この計画は泡と消える
しかし もし及んでいないとしたら…そう考えると、縋るには十分すぎるほどの藁だったことは言うまでもない
37 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:55:35.46 ID:KlS1Zf900.net
人を騙すに当たって最も重要なことは とにかく大勢の人間を巻き込むことだ
奇しくもババアには大勢の人間を巻き込むという方法において先を越されてしまったが、それはあくまで大学での話である
だから俺は片っ端から地元の人間に連絡をした
ババアの活動範囲はあくまで「大学内の俺の周囲」である
地元の人間を巻き込むのならば、俺に分があること明白だった
38 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:00:36.60 ID:KlS1Zf900.net
問題は そんな しょうもなさそうな話に協力してくれる地元の人間(或いは友達の友達)がどれ程いるのかということだった
それに ババアがもし俺の知らない人間にまで俺ババアカップル説を伝えてしまったら それこそ挽回の術がない
速さ、そして 多さが何より重要だった
39 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:05:37.69 ID:KlS1Zf900.net
とりあえずとにかく行動だ、そう思った俺はまず一人の男に電話をかけた
こいつをFとする
Fは高校当時からゴリゴリのヤンキーで何を隠そう俺がごまをすりにすっていた人物の一人だった
「なん?」「いや、その…ちょっと話したいことがあるんだけどさ」
俺がまず初めに こいつに電話をかけた理由は二つ
ヤンキーは何かと面白そうな話に乗ってくるきらいがあるということ
そしてヤンキーは顔が広い
ごめん三つ、ヤンキーがいれば心強いだった
41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:10:47.12 ID:KlS1Zf900.net
結果として まぁ当たり前ではあるが Fが県外であるここに来てくれるはずもなかった
しかし そこは何故か面倒見がいいヤンキーというべきなのか、Fはある人物を紹介してくれた
その子は俺と同じ県に住んでいて、Fの割と古くからの知り合いらしい
俺はFを介して その子と会う約束をした
しかし馬鹿な俺はもう既に当初の目的を見失いかけていた
Fが紹介してくれた子は女の子だった、俺は「もしかしたら付き合えるんじゃね?」という童貞特有の淡すぎる妄想を抱いていた
42 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:12:13.35 ID:KlS1Zf900.net
ババアが俺の住所を知っている今、家には帰れない
となれば当然当分の間 この友達の家が俺の住処になる
俺は友達に許可をとって、後日 その女の子をここへ呼ぶことにした
44 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:17:11.71 ID:KlS1Zf900.net
ちなみに女の子が友達の家に来る間(大体四日くらい)も大学には通い続けた
色んな人が奇異な目で見てくる中、友達だけは俺のそばについていてくれた
口には決して出さなかったが その行動の示すところは当然 俺に安心感を与えるため、味方はここにいるということを暗に伝えるためだろう
もう一生こいつには頭が上がらないなと思っていた
俺が申し訳なさと嬉しさを表情に出すたび友達は飲み物を奢ってくれた
「マジで気にすんな」というぶっきらぼうな言葉が俺には本当に有難かった
45 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:19:14.66 ID:KlS1Zf900.net
そんなこんなで約束の日となった
果たして今からくる人間はヤンキーの女の子なのかそれとも普通の女の子なのか
どちらにせよ心強い見方であることに変わりはなかった
欲を言うならば普通の女の子の方が良かった
その期待は当然のように裏切られることになる
ヤンキーの友達はヤンキー、高校の時から知っていた事実を再認識させられた
46 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:25:16.24 ID:KlS1Zf900.net
出会うなり女の子は「こんにちは、恋人の振りをするってマジすか?」と聞いてきた
年下のなんだから敬語使えよと思ったが、なんというか年上に ごまをすりまくる俺と対極にある彼女は普通に魅力的に映った
先にネタばらししておくが 俺とこの子が付き合う展開はない
早速 俺はこの子に事情を話して、計画を練ることにした
事情を話すと女の子は「本当の事じゃないんだから普通にしとけばいいじゃん」と言った
早くもタメ口になってきた彼女に俺は「大学生になると色々あるんだよ」と大人ぶった
女の子は流しながらTwitterとかしてた
47 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:27:42.67 ID:KlS1Zf900.net
3人で練った計画は ありきたりなものだった
俺とヤン女が手を繋いで街を歩く、それをババアが見るまで繰り返すだった
ヤン女は微妙な顔をしていた
童貞の思考回路的に「え?そんなに嫌なの?」って感じだった
48 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:31:16.28 ID:KlS1Zf900.net
前に述べたけど人を騙すには大勢の人間を巻き込む必要がある
ただし巻き込み方自体は一つとは限らない
ババアは とった方法は、自分から先んじて俺の周囲を固めると言う方法だった
大して俺の方法は、大勢の人間に俺たちの姿を見せつけるというものだ
ババアのとった方法は確かに効果的だった
大勢に1度に伝えるのではなく一人一人に俺ババアカプ説を伝える、
一人一人が その嘘を共通し話題にすれば、その嘘は事実並みの強度を持つことになる
50 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:34:02.39 ID:KlS1Zf900.net
しかしババアの方法には欠点がある
ババアの方法には 一つたりとも「俺とババアが手を繋いで歩いていた」「デートしてた」などという実例が存在していないのだ
つまり、いかに現実並みの強度を持つ嘘であったとしても嘘は嘘
こちらがヤン女と手を繋いで歩いている姿をババアや大学のヤツらに見せつけてやれば、ババアの嘘はより強度を持つ俺の嘘に壊されることになる
51 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:35:59.88 ID:KlS1Zf900.net
俺は息を飲んだ
短くも長く感じた俺ババアカプ説に終止符が打てるという高揚感と、演技であるとはいえ 女の子とデートするという緊張感からだ
とにもかくにも、勝利は目前だった
52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:39:04.59 ID:KlS1Zf900.net
俺と5年来の友人であるくせに俺よりはるかに経験豊富な友達に色々教えて貰って俺はデートをすることにした
ヤン女は相変わらずの表情だったが それでも付き合ってくれた
手を繋ぐということは絶対条件である旨を伝えると、飯を奢る約束を取り付けられた
俺はとにかく普通を取り繕うことに必死だった
脳内で「俺はこいつの彼氏だ、俺は こいつとデートするのが日課なんだよ」と繰り返しながら おぼつかない足取りで昼の商店街を練り歩いた
53 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:42:19.57 ID:KlS1Zf900.net
大学の友人らしき人間に「敢えて」気が付かないふりをして、俺はデートをした
2時間ほど歩き、ようやく俺はヤン女が まともに話せるようになった
マジで俺以外の男は こんな針のむしろみたいなことを毎週のようにしてるのか?という疑問も生まれたが、きっとしているのだろう
楽しさよりも緊張が勝るそのデートも佳境に差し掛かった時、一つの太い影が見えた
54 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:42:36.76 ID:KlS1Zf900.net
遠目からでもわかる、ババアだ
56 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:47:03.86 ID:KlS1Zf900.net
やばいと思ったが ここで たじろいでしまっては今までの苦労が水泡に帰すことになる、そう考えた俺は自然な笑顔でババアに話しかけた
「こんにちは」
「この方は?」
「あれ?言いましたよね?彼女ですよ」
若い女の子を指して彼女と呼ぶのは気恥しいことだったということを覚えてる
その言葉を聞くや否やババアヒステリックに喚き出した
聞き取りにくい その言葉の中には確かに
「あなたの恋人は私でしょお〜!!!」という叫びがあった
俺は もう限界だった
こんな若い女の子の前で自分こそが恋人であると主張する4回り位上のババアに迫られるという事実が辛すぎて涙が出てきた
俺が掴みかかった瞬間ババアは「でもいいじゃない」とだけ言った
俺は理解した
このババア、自分のとっている方法が まともではないことに気が付いてると俺は悟った
俺の想像だけど 大抵こういう手合いは頭がおかしいから自分勝手に恋人認定してストーキングを行う
でもババアは違った
ババアは開き直っていた
俺のババアコネクション計画は、ババアにとって若い恋人獲得計画だったのだ
遂に怒りに不気味さが追いついた
26 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:33:51.58 ID:KlS1Zf900.net
本気で気持ち悪くなって俺は逃げ出した
情けないけど逆切れて怒鳴った友達に電話をかけた
ババアがおってくる気配はなかったけれど、それでも走ってないと怖かった
電話に出るなり友達は「はよ来い」と言った
なんかもう申し訳ない気持ちで いっぱいだったのを覚えてる
27 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:36:16.33 ID:KlS1Zf900.net
部屋に入るなり俺は泣き出した
怖いし気持ち悪いし不気味だし周りの人間は勝手に俺らのことをカップルと思ってる
そんな意味不明な状況に耐えられなくて俺は めちゃくちゃ泣いた
俺が落ち着くと友達はモンハンしようぜっていって来た
俺は気を紛らわすためにモンハンをした
28 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:38:19.43 ID:KlS1Zf900.net
モンハンをしながら友達は色々聞いてきた
俺は ここ数日のこと、みんながババアと俺のカップル説を信じてること、いろんなことをはなした
それをひと通り聞いて友達は ため息を一回だけついて「まぁババアが怖いなら俺んちに止まればいい」とだけ言った
次は別の意味で涙が溢れた
30 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:42:01.26 ID:KlS1Zf900.net
その後 今後どうするかについて話し合った
俺は まず大学のヤツらの誤解をとくという事にした
友達も それには賛成してくれた
しかし その後ババア本体をどうするかの結論はなかなか出なかった
犯罪になるのか分からないし あのババア本気だし本当にもう殺してしまうしかないんじゃないかと思った
そのとき俺はあの言葉を思い出した
そう、俺には彼女がいたのだ
もちろん実際にはいないがババアにはそう伝えている
31 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:43:55.03 ID:aDhT+e500.net
美味しくいただかれたらBBAもそう思うだろうよ
32 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:46:59.33 ID:KlS1Zf900.net
俺はババアの思考回路と行動をできる限りトレースした
恐らくババアは あの時の俺の言葉の真偽を確かめるために、行動したのだろう
結果として俺に恋人はいないという結論に至った
大学でも男友達と駄弁るだけ、女の影なんて露一つ見当たらないのだから その結論は当然とも言える
だけど俺とババアの最初の共通点は大学である
ババアは「大学生としての俺」しか知らないのだ
34 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:50:48.82 ID:KlS1Zf900.net
行動自体は常軌を逸しているとはいえ、思考回路は割と まともなババアの判断能力を信じることにした
結論として俺は「学外に恋人が居る」という設定を思いついた
勿論 このババアの行動範囲(ストーキング範囲)が俺の大学外にまで及んでいたとしたら この計画は泡と消える
しかし もし及んでいないとしたら…そう考えると、縋るには十分すぎるほどの藁だったことは言うまでもない
37 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 07:55:35.46 ID:KlS1Zf900.net
人を騙すに当たって最も重要なことは とにかく大勢の人間を巻き込むことだ
奇しくもババアには大勢の人間を巻き込むという方法において先を越されてしまったが、それはあくまで大学での話である
だから俺は片っ端から地元の人間に連絡をした
ババアの活動範囲はあくまで「大学内の俺の周囲」である
地元の人間を巻き込むのならば、俺に分があること明白だった
38 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:00:36.60 ID:KlS1Zf900.net
問題は そんな しょうもなさそうな話に協力してくれる地元の人間(或いは友達の友達)がどれ程いるのかということだった
それに ババアがもし俺の知らない人間にまで俺ババアカップル説を伝えてしまったら それこそ挽回の術がない
速さ、そして 多さが何より重要だった
39 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:05:37.69 ID:KlS1Zf900.net
とりあえずとにかく行動だ、そう思った俺はまず一人の男に電話をかけた
こいつをFとする
Fは高校当時からゴリゴリのヤンキーで何を隠そう俺がごまをすりにすっていた人物の一人だった
「なん?」「いや、その…ちょっと話したいことがあるんだけどさ」
俺がまず初めに こいつに電話をかけた理由は二つ
ヤンキーは何かと面白そうな話に乗ってくるきらいがあるということ
そしてヤンキーは顔が広い
ごめん三つ、ヤンキーがいれば心強いだった
41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:10:47.12 ID:KlS1Zf900.net
結果として まぁ当たり前ではあるが Fが県外であるここに来てくれるはずもなかった
しかし そこは何故か面倒見がいいヤンキーというべきなのか、Fはある人物を紹介してくれた
その子は俺と同じ県に住んでいて、Fの割と古くからの知り合いらしい
俺はFを介して その子と会う約束をした
しかし馬鹿な俺はもう既に当初の目的を見失いかけていた
Fが紹介してくれた子は女の子だった、俺は「もしかしたら付き合えるんじゃね?」という童貞特有の淡すぎる妄想を抱いていた
42 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:12:13.35 ID:KlS1Zf900.net
ババアが俺の住所を知っている今、家には帰れない
となれば当然当分の間 この友達の家が俺の住処になる
俺は友達に許可をとって、後日 その女の子をここへ呼ぶことにした
44 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:17:11.71 ID:KlS1Zf900.net
ちなみに女の子が友達の家に来る間(大体四日くらい)も大学には通い続けた
色んな人が奇異な目で見てくる中、友達だけは俺のそばについていてくれた
口には決して出さなかったが その行動の示すところは当然 俺に安心感を与えるため、味方はここにいるということを暗に伝えるためだろう
もう一生こいつには頭が上がらないなと思っていた
俺が申し訳なさと嬉しさを表情に出すたび友達は飲み物を奢ってくれた
「マジで気にすんな」というぶっきらぼうな言葉が俺には本当に有難かった
45 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:19:14.66 ID:KlS1Zf900.net
そんなこんなで約束の日となった
果たして今からくる人間はヤンキーの女の子なのかそれとも普通の女の子なのか
どちらにせよ心強い見方であることに変わりはなかった
欲を言うならば普通の女の子の方が良かった
その期待は当然のように裏切られることになる
ヤンキーの友達はヤンキー、高校の時から知っていた事実を再認識させられた
46 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:25:16.24 ID:KlS1Zf900.net
出会うなり女の子は「こんにちは、恋人の振りをするってマジすか?」と聞いてきた
年下のなんだから敬語使えよと思ったが、なんというか年上に ごまをすりまくる俺と対極にある彼女は普通に魅力的に映った
先にネタばらししておくが 俺とこの子が付き合う展開はない
早速 俺はこの子に事情を話して、計画を練ることにした
事情を話すと女の子は「本当の事じゃないんだから普通にしとけばいいじゃん」と言った
早くもタメ口になってきた彼女に俺は「大学生になると色々あるんだよ」と大人ぶった
女の子は流しながらTwitterとかしてた
47 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:27:42.67 ID:KlS1Zf900.net
3人で練った計画は ありきたりなものだった
俺とヤン女が手を繋いで街を歩く、それをババアが見るまで繰り返すだった
ヤン女は微妙な顔をしていた
童貞の思考回路的に「え?そんなに嫌なの?」って感じだった
48 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:31:16.28 ID:KlS1Zf900.net
前に述べたけど人を騙すには大勢の人間を巻き込む必要がある
ただし巻き込み方自体は一つとは限らない
ババアは とった方法は、自分から先んじて俺の周囲を固めると言う方法だった
大して俺の方法は、大勢の人間に俺たちの姿を見せつけるというものだ
ババアのとった方法は確かに効果的だった
大勢に1度に伝えるのではなく一人一人に俺ババアカプ説を伝える、
一人一人が その嘘を共通し話題にすれば、その嘘は事実並みの強度を持つことになる
50 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:34:02.39 ID:KlS1Zf900.net
しかしババアの方法には欠点がある
ババアの方法には 一つたりとも「俺とババアが手を繋いで歩いていた」「デートしてた」などという実例が存在していないのだ
つまり、いかに現実並みの強度を持つ嘘であったとしても嘘は嘘
こちらがヤン女と手を繋いで歩いている姿をババアや大学のヤツらに見せつけてやれば、ババアの嘘はより強度を持つ俺の嘘に壊されることになる
51 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:35:59.88 ID:KlS1Zf900.net
俺は息を飲んだ
短くも長く感じた俺ババアカプ説に終止符が打てるという高揚感と、演技であるとはいえ 女の子とデートするという緊張感からだ
とにもかくにも、勝利は目前だった
52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:39:04.59 ID:KlS1Zf900.net
俺と5年来の友人であるくせに俺よりはるかに経験豊富な友達に色々教えて貰って俺はデートをすることにした
ヤン女は相変わらずの表情だったが それでも付き合ってくれた
手を繋ぐということは絶対条件である旨を伝えると、飯を奢る約束を取り付けられた
俺はとにかく普通を取り繕うことに必死だった
脳内で「俺はこいつの彼氏だ、俺は こいつとデートするのが日課なんだよ」と繰り返しながら おぼつかない足取りで昼の商店街を練り歩いた
53 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:42:19.57 ID:KlS1Zf900.net
大学の友人らしき人間に「敢えて」気が付かないふりをして、俺はデートをした
2時間ほど歩き、ようやく俺はヤン女が まともに話せるようになった
マジで俺以外の男は こんな針のむしろみたいなことを毎週のようにしてるのか?という疑問も生まれたが、きっとしているのだろう
楽しさよりも緊張が勝るそのデートも佳境に差し掛かった時、一つの太い影が見えた
54 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:42:36.76 ID:KlS1Zf900.net
遠目からでもわかる、ババアだ
56 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ :2017/08/25(金) 08:47:03.86 ID:KlS1Zf900.net
やばいと思ったが ここで たじろいでしまっては今までの苦労が水泡に帰すことになる、そう考えた俺は自然な笑顔でババアに話しかけた
「こんにちは」
「この方は?」
「あれ?言いましたよね?彼女ですよ」
若い女の子を指して彼女と呼ぶのは気恥しいことだったということを覚えてる
その言葉を聞くや否やババアヒステリックに喚き出した
聞き取りにくい その言葉の中には確かに
「あなたの恋人は私でしょお〜!!!」という叫びがあった
俺は もう限界だった
こんな若い女の子の前で自分こそが恋人であると主張する4回り位上のババアに迫られるという事実が辛すぎて涙が出てきた
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